ヒーロー


「スターバックスコーヒー」 ⇒ 「ヒーロー」

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「ヒーローはいつも遅れてやってくる」」


よくこんなことが言われます。確かにヒーローモノのアニメや、子供向け戦隊モノ(○○戦隊△△ジャーなるものの総称)なんかを見ると、悪者がコレでもかって悪さをして、「コレは絶体絶命!!」ってところまで追い込まれたところに颯爽とヒーロー登場!。悪者をやっつけて一件落着となるわけです。


で、コレってよくできているなぁ〜と私なんかは思うわけです。ん?何がって??それは、


「ヒーローが出てくるためには必ず悪者の存在が必要」


ってこと。言ってしまえば当たり前なのですが、コレってとっても重要なことです。


例えば、何にもないところに「ヒーロー」が現れて、「よーし、困っているヤツはいるか〜?俺が何とかしてあげよう〜」なんか言うわけです。さて、周りの反応はどんなものでしょう〜??。「しら〜」としている。われ関せず。チョット人がいい人だと、「まぁ今はそれほど困っていることもないですし。。。」くらいは声をかけてくれるでしょう。まぁ総じて「お呼びでない」ってことです(笑)。

そこで「悪者」が登場するわけです。コレがホント、悪くて悪くて、典型的な「悪」なんです。この悪者が人々をとにかく困らせる。それもチョットやそっとではなく、もうひどい事ひどい事。人々は「本当に困る」。この「本当に困る」という状況ができて初めて「誰か助けて!!」となり、「ヒーロー」が登場するのです。なんだか「悪者」に場をあたためてもらったみたいですね(笑)


「ヒーロー」が存在するためには「悪者」がいなければならない。そして、それぞれが役割を忠実に遂行してもらわないと話がまとまらないんです。悪者が人々を苦しめているときにおばあちゃんが「この子だけはお助けを。。。」とか言っているのを見てなんだか同情してきちゃった〜となったらダメなんです。ココは悪者らしく、そんなおばあちゃんも容赦なくいじめる!とにかくいじめる。でも、いじめたおして殺しちゃったりしちゃダメなの(爆)。だって殺しちゃったらヒーローでもさすがに助けられない。まぁ死なない程度にいじめる。これが「悪者」の役割なのです。


実は同じように我々人間もそれぞれ「役割」をもって生きています。そしてその役割を忠実に守って生きているからこそ「社会」というものが成り立っていると思うのです。ドロボーがいるから警察官がいるわけで、この世の中に悪者が一人もいなかったら警察官なんていらない。いや存在できない。というかむしろ悪者がいないのに警察官なんていたら、それこそあぶない。法律の下に武力を持つことを許されているわけですから、物騒この上ない状態になっちゃいます。


子供のころ、私もご多分にもれず「戦隊モノ」を見ていたので、正義感だけは強かった。で、あるとき小学校のクラスでいじめられている子を見つけた私は勇気を持って「いじめはよくない!やめろよ!」といってみたわけです。結果は。。。。


「大勢に影響がない」


でした。なんだか不思議なんですが、その状況がまったく変わらなかったのです。変化なしなんです。

そうこうしている間にいじめはエスカレートして、クラスのみんなにもだんだんそのことに気付いてくるわけです。これは、マズイんじゃないかと。で、ここで颯爽と学級委員長のA君が現れ、「いじめ、かっこ悪いよ」とか言っちゃうわけ。するといじめていた子も「ちぇっ」とか言って今までいじめていたのがウソみたいにいじめることをやめてしまうのです。A君がヒーローになったのは言うまでもありません。


さて、そこで私は何を学んだでしょうか?

「なるほど、私はチョット早く気付いてしまったのだな」ということ。言葉が悪いんですが、いじめられる側はまだいじめられつくしてはいなかった。いじめる側もいじめつくしていなかったということです。多分まだじゃれあっていた程度だったのでしょう。

思うに私が「いじめはよくない」とかいったときは、いじめる側もいじめられる側も「いじめ」なんかあるなんてこれっぽっちも思っていなかった。まだ「兆し」しかなく、私はその「兆し」をキャッチして早めに手を打ったということでしょうか。少々タイミングが早かったといってしまえばそれまでですが。

で、いじめがエスカレートして、誰の目にも明らかなくらいコレは「いじめ」だぞ!ってなってくる。舞台は整ったわけです。そこにA君登場で一件落着、めでたしめでたしですね。

で、子供のころの私は、「ほらみろ〜いじめられているだろ??」と自分の考えを正当化したり、「Aのやつ、本当はオレの手柄なのに横取りしやがって。。」なんて思ったものです。(←かわいいものです)


思うにヒーローという役割には「ここぞ!」っていうタイミングを逃さず、絶妙のタイミングで介入する力なんだと思います。早すぎてもダメですし、遅すぎてももちろんダメ。そのため「ここぞ!」ってタイミングが来るまで我慢する力(ここぞってタイミングが来るまで出来事自体に気付かない力かもしれませんが)であったり、躊躇しないで毅然と介入する力なんだと思います。


で、子供ながらに私が思ったこと。あぁ〜私は「ヒーロー」の役割ではないなと。と同時に、自分の役割もなんとなくわかりました。それは

「兆し」に気付いてしまうということは、モノゴトの構造をとらえることがうまく、かつ早い。
だからそれを人に伝えることが役割

なんだと。

というわけで、たくさんの人により多くの新しい視点を提供して、「ああ、なるほど。そんな見方もあるね〜」って人の可能性を広げるお手伝いをすることが私の役割なんだと自覚し、こんなコラムを書いているわけです。ちゃんと意味があって書いているんですよ(笑)


といわけで、皆さんは自分がどんな役割を担っていると思いますか?
チョット考えると、人生がチョコットだけ面白く見えてきますよ〜