戦略は意味を成さないので立てる必要はない

皆さんこんにちは、くぼみちです。

先日から「戦略」という言葉をキーワードにして、

『戦略を立て実行することはいいことなんだが。。。』

『戦略の前に「ビジョン」がすべてに優先する』

とお話させていただきました。本日は「戦略」をキーワードにしてお話する3回目となります。

実は件名にも書いてしまいましたが、私は「戦略」というものがあまり意味をなさないと思っています。

そもそも意味をなさないと考える一番目の理由は、「大切なものが抜け落ちている」ことです。

そもそも、日本語で言うところの「戦略」は英語では「srategy」を指す言葉なんですが、この英語の本来の意味を正確に訳すと「特定の目的に対する枠組みや方向性」となり、必ず何かの「目的」があることを前提としています。

ところが、日本語の「戦略」を辞書で引いてみると

1 戦争に勝つための総合的・長期的な計略。→戦術
2 組織などを運営していくについて、将来を見通しての方策。

となっています。これを見ると、英語の「strategy」にある前提(目的)が日本語の「戦略」という言葉には含まれていない、ないしはあったとしても「相手に打ち勝つ」というものが前提にしかなっていません。これは些細な言葉の意味あいですが、非常に重要な視点です。

この重要な視点を持ち合わせていないからこそ、多くの日本人が「戦略」という言葉を使うとき、どうしても「どうやったら勝負に勝てるか?」「どうやったら生き残ることができるのか?」という視点でしか語られないわけです。そのためどうしても場当たり的なものに終始してしまい、結局何がしたいのか自分も周りもよくわからなくなってしまって後手後手になってしまうのです。

おもしろい話ですが、仮に日本人で英語が堪能な方がアメリカ人とお話していて、「strategy」という言葉を使っていたとしても、日本人のほうが「strategy」の本当に意味を知らなければ同じ意味でコミュニケーションが取れないことでしょう(表面的にオーイェーとかいって通じ合っているかもしれませんが。。。)

前回のBlogでも書かせていただきましたが、戦略は「ビジョン」に従うわけです。その「ビジョン(目的)」という視点が欠落しているため、そもそも「戦略」と言うものを考えても意味がないと私は思うのです。これが理由の一番目です。

二番目としては、仮にしっかりとビジョンを持って、ガッチリと戦略を立てたとしても、立てた段階ですぐに「陳腐化」するからです。

というのも、2000年に入って社会の変化するスピードはどんどん速くなっています。それこそ20年前では考えられないくらいにものすごい勢いで速くなっています。これだけ変化のスピードが速い社会では、変化に柔軟に対応できなかった組織はどんどん崩壊していくのは自明の理でしょう。昔は優良企業だともてはやされた企業も新興企業にやられてしまうなんてことも実際に起こっています。

こんな時代背景では、しっかり戦略を立てて、それに応じて戦術を考え、いざ実行!!なんてやっていると、まったくスピード感についていけないわけです。戦略を立てたそばから戦略を立てた「前提」をひっくり返される。結果として「陳腐化」してしまうわけです。

以上が「戦略は意味を成さないので立てる必要がない」と考える理由です。

で私思うのですが、「陳腐化」するくらいならまだマシだなと思うわけです。
「えっ、なんで????」って声が聞えてきそうですが、それは「陳腐化」すれば、あってもなかったことになるから、
まぁそれほど問題がないからです。

がしかし、戦略を立てることによって、「陳腐化」だけでは済まされず、もっと恐ろしいことが起こります。
実はこの恐ろしいことが一番の問題なのです。

そのことについては次回に書かせていただきます。

本日もありがとうございました。